メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in SPAIN 12 《サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道のり編》

2011年10月26日 | メガヒヨのホリデイ


2軒の美術館めぐりを終え、地下鉄にてバラハス空港へ。


15:50発のイベリア航空サンティアゴ・デ・コンポステーラ行きの便に乗る。
チケット代は早期割引のおかげで、往復12,500円ほど。


フラッグキャリアの割に搭乗口が遠い。
売店を見ながらてくてくと歩く。
これはセックス・アンド・ザ・シティでおなじみ、マノロ・ブラニクの店舗。
あの有名なハイヒールのアクセサリーまで売ってたりするんだね。
メガヒヨも一度履いてみたいと思いつつ、ヒールとお値段の高さには尻込みしている。


搭乗口に着いてしばらく待つも出発の兆しがない。
そんなうちに搭乗口変更の掲示が出て、長いこと歩いた道のりを逆戻り。
それからもかなりの時間待ち続けた。


やっと案内されたのは、出発時間をゆうに2時間過ぎての後。
機材整備の関係みたいだけどね~。
でも欠航とかではなくて良かったよ。
安いチケットな分、補償とか無さそうだし、突然宿を確保するのも難しいだろうからね。


一時間ほどのフライトで、サンティアゴ・デ・コンポステーラ空港に到着!!

 
空港バスにて、市内までは一時間足らず。
途中バスターミナルみたいな所に停まって大勢降りるけれど、そこでは降りちゃだめだよ。
終点もかなり微妙な街中なので分かりづらく、降りていいものか躊躇してしまった


ZARAなども並ぶフツーの地方都市の街並み。


このホテル・コンポステーラが見えるガリシア広場まで出てくると、街の雰囲気も変わってくる。


アラメダ公園を過ぎ、旧市街に入るといかにもキリスト教版門前町って感じ。
お土産屋さんやレストランが軒を連ねてるよ。


街のあちこちに聖ヤコフのシンボル・ホタテ貝が見受けられる。


メガヒヨが今晩お世話になる宿、ホテル・サン・マルティン・ピナリオ。


修道院だった建物をリノベーションして、ホテルとして利用されている。
昔使っていた玄関は閉ざされていて、出入りはこちらから。

 
パティオに中世の面影を感じますな。


建物内は綺麗で明るい。
廊下を歩いて奥にあるフロントでチェックイン。


エレベーターもちゃんとあるよ。
もともと吹き抜けのあった場所なのか、フロアを何層もぶち抜いて設置したのかな?


客室エリアのあちこちに祈りの場所がある。
さすが元修道院。


客室エリア。
無人のときは真っ暗だけど、センサーがついていて人が通るとスイッチが入る。
スペインでは同じようなシステムをよく見かけた。
日本もこうすればいいのに。


これが本日のお部屋。
シンプルで落ち着く。
ちなみにテレビは無し。

 
出窓を開けるとパティオが見えるよ。

 
バスルームも清潔。
バスタブは無かったけれど、ドアのついたシャワーパンなら水はねを気にせず思いっきりシャワーが浴びられる。
シャワーが固定式でなく、ホースがついていたのも良いしね。
タオル掛けはヒーターがついていて、温かいタオルを使えて幸せだった。

さて。荷物を置いたら旧市街を歩いてみることにしよう。
もう夜8時近いしね。 


メガヒヨ in SPAIN 11 《美術館はしご編》

2011年10月23日 | メガヒヨのホリデイ


前日訪れたのと同じバルにて。
サンドイッチを頼むつもりが、土曜日ということでまだ用意されていなかった。
代わりにチュロスを注文。
チュロスに味付けはされておらず、初めての感覚。
地元の方はホットチョコレートに浸して食べるみたいだけどね。
美味しかったけど四つは多く、心苦しくも半分残してしまった。
そしたら店のおじさんが何も言わずとも包んでくれた。親切だなぁ


サンティアゴ・コンポステーラに本日から二泊するので、大きい荷物を預けたままホテルをチェックアウトした。
これから飛行機の時間まで、二軒の美術館をはしごする。
一軒目はホテルのすぐ近くにある、王立サン・フェルナンド美術アカデミー。
立派な門構えの建物があったのでここかと思ったけど、これはカジノ。
ヨーロッパのカジノってチップ単価高そうで、庶民には無縁のものだな~。


こちらが王立サン・フェルナンド美術アカデミー。


入場料5ユーロを支払い、中へ。
こちらは内部の撮影が、フラッシュ無しなら自由。
さっそく彫刻と対面するも、いちじくの葉っぱつきだった。
バチカン美術館を思い出す(笑)


王立だけあって、上品な作品が多い。


ベスピオ火山?


今まで訪れたのが撮影禁止の美術館・教会ばかりだったので、水を得た魚のように写真を撮りまくり。
朝一番で入場したせいか、ほぼ貸切状態だったしね。


この美術館はゴヤのコレクションが充実している。
これは自画像。
以下ゴヤ作品続く。


闘牛の光景。
今回の旅行では闘牛も見たかったけど、スケジュールの関係でかなわず。
せめて絵で我慢。

なんかテルマエ・ロマエっぽい絵。


これが有名な『鰯の埋葬』。
スペイン版鰯供養の様子。
全体的にいっちゃっている感じがよろしい。

 
銅版画もあるよ。
左のは鳥人間コンテストって感じだね。

 
こちらも自画像。ころころしていていいなぁ。
右のはパレット。月桂冠が飾られ、敬意を表されている。

 
ここはムリーリョのコレクションも数多い。
マグダラのマリアの絵を見ると、ダ・ヴィンチ・コードブームを思い出すなぁ。


さて。お次は、ティッセン・ボルネミッサ美術館。
プラド美術館のすぐ近くにあるよ。
ここはウェブサイトがハンパなく充実している。
バーチャルツアーで、グーグルマップみたいに館内を歩くようにして全展示作品を見られるようになってるよ。
中でもメガヒヨのおすすめを貼っておいたので参考にしてね!
(画像をクリックすると、美術館の作品のサイトに飛ぶようにしといたよ。)


13世紀の聖母子像。
この様な中世の作品からコレクションは始まる。


これはすごい!
Jan van Eyckによる、立体だまし絵。
どうみても彫刻作品のように見える。
15世紀前半に描かれたとは思えないなぁ。


この絵にもインパクトを受けた。
Derick Baegertによる『聖女ヴェロニカ』。
日本の絵巻物のように、一画面で異なる時間の場面が展開されている。
右上で受難のイエス・キリストにハンカチを差しだす彼女、
そして画面下部で奇跡を披露する様子が描かれている。
この勝ち誇った顔が何とも言えない。
トレドにあったエル・グレコの同じテーマの絵とは大違いだ(笑)

ところで右上でキリストを嘲笑する人々の中に、べっかんこポーズを取る人がいて驚いた。
この手のからかい方って、はるか昔15世紀からあるんだな~。


Vittore Carpaccioによる、『風景のなかの若い騎士』。
カルパッチョなんて美味しそうな名前だな~と思ったらその通り。
料理の名前の元になった画家。
彼の美しい赤の描写がその由来になっているとのこと。
そう言われたら、絵の中で赤い部分を必死に探してしまう 


ここは印象派のコレクションも充実しており、カミーユ・コローの絵も数点あった。


これはエドガー・ドガの『緑の服の踊り子』。
そうそう。ここら辺のフロアを見学していたら、昨日プラドで話したオランダ人にまた会っちゃったよ(笑)


スペインといったらこの方を忘れちゃいけない、パブロ・ピカソ。
メガヒヨは初期の作品の方が好き。
これもその一つ、『鏡を持つアルルカン』。


そしてそして。もう一人のスペインの現代美術の巨匠といえば、サルバドール・ダリ。
『目をさます一秒前、ザクロの身の周りを一匹のミツバチが飛び回ったために見た夢』。
トラが主役張っているような絵だけど、ミツバチとトラねぇ…。
黄色と黒の縞模様だから関連づけているのかなぁ? 謎だ。

ダリといえば、妻のガラとのエピソードとか好きだなぁ。
さんざんダリが振り回された印象だけど、謎の映像作品にしぶしぶ付き合わされているガラもそれなりに大変だったと思う。

そうそう、それともう一つ。
チュッパチャップスのロゴって、ダリのデザインを元にしているんだってね。
スペインに行って初めて知ったんだけど、あのお菓子自体アメリカのものだと思い込んでいたので、目からウロコだったよ。


以上が9時から13時までの美術館はしごの話。
やっぱり歴史の中で長いこと強豪の地位を保った国のお宝はすごいね。
フライトまでの駆け足ながら、とっても充実した時間を過ごしたメガヒヨなのであった。


メガヒヨ in SPAIN 10 《マドリッドはしご酒再び編》

2011年10月17日 | メガヒヨのホリデイ

 
プラド美術館からの帰り。
ブエナ・ビスタ宮殿のお庭を外から拝見し、今年一番のバラを見た。


本日訪れたバルはラ・カサ・デル・アブエロ。
エビ料理のお店。


ウインドウにはエビのフリッターが並べられている。

 
椅子はなく、カウンターのみの店内。
エビをささっと食べたらとっとと帰るのが暗黙の了解のよう。


メガヒヨはエビのオリーブオイル煮である、
ガンバス・アル・アヒーリョを注文。
白ワイン込で11.0ユーロ。

このアヒーリョ、ガーリックが良く効いていてとっても美味しかった!!
アツアツの状態で運ばれてきて、しばらくはグツグツ煮立っているので火傷に注意。


エビだけだと野菜不足が不安なので、他のバルにも寄ってみた。
英語メニューのあるとこね。


まずは白ワインを注文。
突き出しはケチャップ煮のソーセージ。


頼んだのは生ハム(タパスサイズ)と、SAL MOREJOというトマトと生ハムとニンニクの冷製スープ。
このスープ、メガヒヨがスペインで食べられなかった唯一のものになってしまった。
ニンニクとオリーブオイルとチーズで胸やけを起こしてしまい、数さじ食べただけでギブアップ。
空腹状態だったらいけたと思うのだけど、エビの店でさんざんニンニクの効いたオリーブオイルをパンに浸して食べてしまってたからね。
大胆な残し方で、お店の方にも申し訳なかった。
ちなみにこちらのお会計は、食べ物に加えて白ワイン2杯、サングリア1杯頼み15ユーロ。安い!


スープで胸やけを起こしてもデザートは別腹。
プエルタ・デル・ソルでラズベリーアイスを食す。
さっぱりとして美味しかった。

【おまけ】
プエルタ・デル・ソルで見かけた日本食料理屋のポスター。
店の名前からして、日本人ではない方が経営されていると見える。
それにしても残念なのがこの女の子の写真。
もっとお行儀よく食べてよ…。
こういうのが日本のスタンダードだと思われたくないなぁ


メガヒヨ in SPAIN 9.5 《おせっかいなオランダ人との遭遇編》

2011年10月16日 | メガヒヨのホリデイ

プラド美術館でのこと。

「名作酔い」を起こし、ふらふらのメガヒヨ。
人が比較的少ない展示室の椅子でしばらく休憩していた。

そしたらミドルエイジの白人男性が「疲れちゃったの?」と英語で声を掛けてきた。
「はい、ここはとても広くって」などと返し、しばらくその人と会話をかわした。

話を聞くと彼はオランダ人の大学の先生。
一カ月のバケーションを取り、スペインを旅しているとのこと。
日本にも来たことがあるらしい。

最初は美術館内の作品の話などを話題にしていたが、
それからは日本人の休暇の少なさを同情したり、
メガヒヨが払った航空運賃の高さに驚き、自分が以下に安くスペインに来たかを自慢したりしていた。

メガヒヨは後で冷静になってみると、何でこんな大きなお世話な話をいちいち聞いていたんだろうと思うけど、
その時は英語で会話するのに必死で頭が回らなかった。

そんな内にとうとうこんな質問をかましてきた。

「HOW OLD ARE YOU?」

そこで「WHO CARES?」とでも返せばよかったと後でつくづく思うのだけど、その時はついつい正直に答えてしまった。
(我ながらバカ…)

調子づいてその人は「結婚しているのか?」「独身?じゃあ離婚したの?」と立て続けに聞いてきた。
そして挙句の果てはこの質問が来た。

「どうして結婚しないんだ?」

そんなのメガヒヨ自身が一番聞きたいってば(笑)!!

それでもバカ正直に「もてないから。」って返すのも忍びない。
そこで見ず知らずの人に見栄を張ってこう返した。

「I LIKE FREE.」

そしたら思いっきり溜息をつかれた。
溜息つきたいのはこちらだよ。
英語でプライベートなことを質問されて!!

でも家庭を重視するクリスチャン的価値観だと、メガヒヨみたいな人生ってとんでもなく自分勝手に見えるんだろうな~。
こちらは地道に堅実に生きてるつもりでもね。

会話の終わりにそのオランダ人は夕食に一緒に行かないか?と誘ってきた。
変な意味じゃないよと付け加えて。

メガヒヨは即座に「今日は予定があるから」と断った。
いや、そのオランダ人は遠慮がないけど悪い人には見えなかったし、こちらも警戒していた訳ではない。

もうとにかく英語を話したくなかったのだ。
その数分間で疲れ切ってしまったので。
まぁあちらも母国語はオランダ語なので、立場はおあいこといえばそうなんだけどね。

しかし、英語でふっかけられたときの無防備さは、我ながら呆れた。
質問されると、これを答えていいのかどうか判断する前に、必死に返答を頭で作文しちゃうんだものね。
今後は何かの際にうっかり口を割らないように、日々英語に慣れて備えたいと思う次第であった。


メガヒヨ in SPAIN 9 《プラド美術館で怖い絵を編》

2011年10月16日 | メガヒヨのホリデイ


本日の朝ゴハンはホテルの裏の小道にあるバルで。


メガヒヨが話せた数少ないスペイン語、
「カフェ・コン・レチェ ポルファボール」
(カフェラテ下さい。)
で毎度の飲み物は確保(笑)
サンドイッチは指差し注文にて、これまた入手成功!

お会計は3.8ユーロ。
表通りに面していないお店だと全般的に安くなるね。
ここは美味しかったし、リピすることに。


実はじっくりマドリードの街を歩いていないメガヒヨ。
せっかくだからプラド美術館まで徒歩で行くことに。

中心地シベーレス広場の辺りはゴージャスな建物ばかりで、ついつい目を奪われる。
銀座やシャンゼリゼ、ピカデリーサーカスより華がある場所だと思う。
左の建物は勘違いしていなければスペイン銀行。


ホテル・リッツの前を通る。
やたら黒服の人が多かった。VIPがいらしてたのかな?

 
てくてくと歩き、プラド美術館に無事到着!
ゴヤさんの彫像があるところでチケットを購入。


せっかくなので正面のベラスケス口から入場。

「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)
中野 京子
日本放送出版協会

この旅行のきっかけの中でも大きかったのは、中野京子先生の「怖い絵」シリーズを読んだこと。
こちらの『「怖い絵」で人間を読む』にはプラド美術館の作品が多く紹介されている。
そんなわけでこの本を片手に巡ってみた。


入って左手すぐにアルブレヒト・デューラーの有名な絵『アダムとイブ』を発見。
(これは上の本には載ってないけど)

この絵を最初にみたとき、無防備なアダムに対してイブは刺客的立場として描かれていると感じた。
「イブを悪者にしている。作者の女性に対する目が厳しすぎ!」と思ったけど、
よく見てみればアダムがとことん間抜けに描かれているだけのような。
くちポカンだし。

いずれにせよ、作者は世の男性に警告的メッセージをこの作品に託したのね。
オンナは怖いぞって。
デューラーはよほど女性にひどい目に遭ったのかな?
経歴を見る限り、親方の娘さんと普通に結婚してたりするけど…。

でも深読みかも知れないけど、女性視点で描かれているような気もするんだよね。この絵って。
だってメガヒヨ、このイブにすごく共感するんだもの。

このアダムとイブという旧約聖書のお題はさまざまな画家が描いているのだけど、各人解釈が違っていて楽しかった。
ある絵では、天然なイブがリンゴを持ってウキウキしているのをアダムが必死に止めていたし、
別の絵では退廃的な二人が「どーでもいいんじゃね?」って感じでごろ寝してたり。


さて。プラドに来たらまず見なきゃいけないこの作品。
この絵は5歳のマルガリータ王女を中心とした『ラス・メニーナス(官女たち)』。
画面構成は凝ったもので、奥の鏡には国王夫妻が映り、
左画面には画家ディエゴ・ベラスケス自身も登場人物として仲間入りしている。


ちなみにこの人が”無能王”フェリペ4世。
外見にコンプレックスの有るこの王様は、ベラスケスにしか自分の絵は描かせなかったらしい。
それなりに威厳がある肖像画を仕立ててくれるのは、彼以外に出来なかったという話。


宮廷画家として数々の作品を描いたベラスケス。
しかし国王一家の絵ばっかり描いているのも結構つらい。
親交があったルーベンスの影響を受けて、この『バッカスの勝利(酔っ払いたち)』のような作品も描いている。


ベラスケス亡き後、宮廷画家を務めたのはファン・カレーニョ・デ・ミランダ。
フィリペ4世の嫡男、カルロス2世の肖像画を多く手掛けている。
この若い王様は、何代にもわたる近親婚のせいで生まれつきハンディキャップを負っていた。
それは外見にもおよび、肖像を描く際にはかなりのカモフラージュが必要だったとされる。

トレドのアルカサル、エル・エスコリアル修道院でも同じ様なミランダ作のカルロス2世像が見かけた。
気の毒なほど沢山描かされていたに違いない。


さて。これもスペイン・ハプスブルク家の方。
フランシスコ・プラディーリャ描く『狂女ファナ』。
上の絵のフェリペ4世、マルガリータ王女、カルロス2世のご先祖にあたる方。
なんでイザベラ女王の娘であるこの人が狂女なんて呼ばれてしまったかというと、
早世した夫の死を受け入れられずに、復活の儀式をおこなうためスペイン中を棺と共に巡り巡ったから。

彼女の夫は美公、端麗公と評されるハプスブルク家のフィリップ。
(無能王とはエラい扱いの違う称号だなぁ~)


 
さて。次はベラスケスと肩を並べてスペインを代表する画家、フランシスコ・デ・ゴヤ。

有名な、『着衣のマハ』と『裸のマハ』。
今年(2011年)秋に久々に日本で着衣の方が公開されるね。

さすがに裸の方は貸してくれないみたいだけど、リスクがあるこの日本にプラド美術館はよく作品を送り出して下さったものだ。
ありがたや。


ゴヤが聴力を失い大病を経て、70をゆうに過ぎてから手掛けた黒い絵シリーズ。
その一つが『運命の三女神たち。』

メガヒヨは三姉妹の次女なので、このお題も好き。
次女ラケシス(左から二番目)は、天眼鏡で手前の人間の寿命を測っているところなんだって。
測るのは寿命じゃないけどメガヒヨの仕事も似たようなものだから、この絵には縁を感じるなぁ。


これが黒い絵で一、二を争う恐ろしさ。
『我が子を食らうサトゥルヌス』
ギリシャ神話の最初の頃のエピソードで、時の神が次々に自分の子供を食べてしまうってのがあるんだけどね。
そういうのって大抵は丸呑みだと解釈しているのだけど、これはガチでムシャムシャバリバリお召し上がり。


ゴヤからさかのぼること180年前。
巨匠ルーベンスもこの題材で絵を描いている。
これも本気で噛り付いている。
ゴヤのサトゥルヌスは自宅の食堂に壁画として描かれたって話だけど、ルーベンスの方はどこに飾ったんだろう?


ところでメガヒヨ。
数多くの美術品に囲まれるうちに「名作酔い」を起してきた。
美術館でよく起こす症状なんだけど、作品の力に圧倒してしまい、エネルギー切れになってしまうんだよね。

そんな中自分を奮い起こす言葉がコレ。
「フランダースのネロのことを思い出せ!」

ルーベンスの絵をあんなに見たがっていたネロ。
なのに自分はどう?
こんな恵まれた状況なのに、疲れたなどと甘いことを言って。


とはいえ、休息も必要。
カフェテリアにてランチタイム。
スープはちょいぬるかったけど、野菜たっぷりで美味しかった。
飲み物込で7.3ユーロ。


食事をしたら結構復活してきた。
これはピーター・ブリューゲルの『死の勝利』。
骸骨の軍団が街を占拠する。
日本の地獄絵図にもこんなのがあったよね。
画面右下に描かれている、骸骨に気付ずに二人の世界にはまってるカップルが笑える。


そうそう。プラド美術館は怖い絵ばかりじゃないよ。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョによるこんな可愛い絵もある。
『貝殻を持つ幼児たち』
左のお子さんはイエス・キリストで、右が洗礼者ヨハネ。
羊もむくむくしていて可愛い!


長々と巡ったプラド美術館。
これがメガヒヨが一番気に入った絵。
ヒエロニムス・ボッシュによる『快楽の園』。

なんかSFチックなタッチ。
左は旧約聖書にあるアダムとイブのエピソード、右は地獄絵図。
そして真ん中は快楽の園、つまり現世って話。

しかし500年も前の作品なのに、ここに描かれているような生き物を思いついた画家はすごい!!
しかも祭壇画として採用した教会も素晴らしい!!


プラド美術館はルーブルほどの規模はないけれど、独特の価値観によるコレクションぶりが本当に素晴らしい。
また是非チャンスを作って訪れたいと思った。


メガヒヨ in SPAIN 8 《フラメンコ編》

2011年10月09日 | メガヒヨのホリデイ


セゴビアから戻り、ホテルで一休み。
そしてその夜はフラメンコを観に、タブラオのCAFE DE CHINITASへ。
その場所は少々細くて寂しい道にある。
迷いつつも何とか到着。


事前に席をSPAIN-GUIDE.COMさんで予約しておいた。
こちらを通すと料金が10%オフになるのでおすすめ!

食事つきにしておくといい席になるかなぁと期待していたけれど、残念ながら少々後ろ寄り。
かぶりつきは団体・家族連れによって占められており、お一人さまは一か所にまとめられていた。
まぁセンターで見やすかったからいいかな。


時間になり、ソロ・ギターによる前座が始まった。
若手の方だったけど、哀愁漂う素敵な演奏。
思わず拍手喝さい!!


いよいよ本番。
一番手をつとめた方は歌も歌いつ、踊りもこなす。


次から次に登場する踊り手バイラオーラ。
本場の脚さばきに目を奪われる。


フラメンコはバイラオーラのみでならず。
傍にはギタリスタ、歌い手カンタオールの方々が舞台を支えている。


そのカンタオールのうち二名が会社の上司に激似だった。
二人とも日本人にしては濃い顔をしているのだけど、まさかスペインでそっくりさんを見かけるとは(笑)


このCAFE DE CHINITAS。
ちょっと前まではリーズナブルなコースを用意してくれていたのだけど、今はアラカルト・メニューのみ。
しかもパエリアは二人前からの注文しか受け付けてくれなかった。

そんなわけで隣あったレバノン人の女の子とパエリアをシェアした。


量はかなりたっぷり。
4人前くらいはなかろうか。
美味しかったけど食べきれずに残してしまった。

ちなみにお値段は二人前で63ユーロほど。高いっっ!!
ここではわざわざ料理は頼まなくてもいいんじゃないかなぁ。

でもってサングリアも10.8ユーロで、ピッチャーになみなみ1リットルくらい注がれてきた(笑)
量が事前に分かってたら、コレもシェアしたのにな~。

ちなみにメガヒヨがこちらで支払った金額は、10%オフ適用後で69.7ユーロなり。


大量のパエリアに胸やけしつつ、ここには食事をしに来たのでは無し!
料理はさておいて本場のフラメンコを堪能する。


クライマックスはカスタネットを駆使しながらのデュオ。
バイラオーラはかなりのベテランで、マチュアな女性の魅力をはなっていた。
勝負を挑んでもまったく勝ち目がなさそう。
メガヒヨも機会があればフラメンコを習って、オンナ修行に励みたいと思った。

大満足な舞台だったけど、ひとつ残念だったのは男性の踊り手が見られなかったこと。
次にフラメンコを観る時はタブラオではなく、劇場にいってみようかな。
きっとバイラオールもいるだろうし、食べ物を気にせず踊りに集中出来るしね。

ところでメガヒヨが観たのは20:00からの回で、ショーは正味1時間余り。22:00までにはお店を出た。
これくらいの時間帯ならまだ大通りは人がいるし、お店周辺の小道は他のお客さんと一緒に歩いてしまえば問題はない。
フラメンコは見たいけど夜遅くて少々不安と思っている人は、必要以上には怖がらずに是非行ってほしいな。
きっとスペインのいい思い出になるはずなので!